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最初に受けたかった歯科治療(16)

◆2018年6月4日 24回目 左下35番
さて、今回で、いよいよ根管治療が最後となります。
治療後は痛みもなく、順調です。未だかなり病巣があり、炎症しているようですが、痛みが出ないというのはありがたいことです。
前回仮歯が取れて、修復していただいたので、今度はぴったりハマりすぎてビクともしません。
仮歯を取るのに一苦労です。私の歯の壁が殆どないので、先生が取れないように仮歯の中や外の高さを変えて下さったのですが、このあたりの加減が難しいところだと言っていました。
何とか取れ、根管治療の仕上げです。
レーダー検知を使いながら、根管の虫歯を出来る限り除去し消毒。長さを確認し、高級なMTAセメントで充填します。
「このセメントは数gで数万という価格だけれども、水に触れると膨張し、隙間をキッチリ埋めてくれるので、これのお陰で今は良い治療が出来るんですよ〜。」
こういう風に治療すれば、その後は虫歯にならず、歯の寿命が随分伸びるそうなのです。
確かに、家などの建築材料も、拘れば長持ちしますもんね。全く同じです。
保険診療では先ず使われることのないセメントですが、こんなところも大事だったのですね〜!
治療後のレントゲンで、無事充填が確認され、今回は非常にスムーズな治療です。

「歯医者さんは9割以上の方が歯を治した!と言うけれど、それは板金加工が終わっただけで、治してはいないんだけど、この説明が理解出来ない人が多いんだよね。治したと思いたいんだろうけどね〜。でもその後こんな状態になるんだからね〜。」
「歯を治す事は出来ない。歯医者は出来る限り病巣を取り除き、歯を治療していないと脳に思い込ませるくらい精巧に人工物を作る事しか出来ない。それによってその方がその後問題なく過ごせるかどうかは、その方のホメオスタシスにかかっている。馬を水飲み場に連れて行くことは出来ても、馬が水を飲むかどうかわからない、というのと一緒。」

今日は珍しく早く治療が終わったので、そのまま帰ると思いきや、矯正治療に向けて必要な治療の説明を先生が丁寧にして下さいました。先生が理想の治療をしたくても、お金を出すのは患者自身なので、納得してもらうのに先生も最大限尽力して下さいます。
今回必要な歯の高さ出し(ビルドアップ)は噛み締めにより削られて短くなった歯の高さを元に戻す治療です。
私は最初から、信頼して、全て先生の言われる通りの治療を受ける決意をしていますので、説明されずとも問題ナシでしたが、過去色々な患者さんがいらしたのでしょう。
見積もりのオプション欄にありましたし、最初に軽く説明を受けたので、既に理解済みでした。
数年前に鏡を見て、軽く歯を噛み合わせた時の顔が元の顔の様な気がするなぁ、と思った事があったので、「やっぱり!」と嬉しくなりましたし(๑˃̵ᴗ˂̵)
今は接着材料が良くなり、技術が上がったので、こういう事が可能になった!と以前先生はおっしゃっていましたが、全顎の型を取り、そこから元の歯の噛み合わせや高さを再現するというのは相当な技量を必要としますから、元口腔外科医で、再建に長け、経験も豊富で、芸術的センスもあるこの先生でなければなかなか出来ない事の様な気がします。
「今から20年前の顔に戻りましょうね〜。時を20年戻しましょうね〜!」と言われました。
私が20歳の時に出会えていれば、こんな歯にならずに済んで、こんな治療も受けなくて良かったんだけど、歯科治療の現状がこんなだから本当に残念。もうずっとたくさんの先生達にその事を伝え続けているんだけど、なかなか改善されない!でもわかっていただけるよう頑張ります٩( 'ω' )وと、先生は気合いを入れられていました。
私が思うに、他の先生方は自分で経験していないので、頭の中でしか理解出来ないし、自分の置かれている立場を考えてしまうので、変える勇気が持てないのではないでしょうか。
一番は身をもって経験することです。
左脳派の先生方は自分が見たもの、経験したことしか基本信じられないのでしょう。
具合が悪くなって、この先生の治療を受ければ、自分の治療との違いが良く分かると思います。
あと、私達患者側も、もっと理想の治療を知らなければなりません。通う人がいなくなれば、歯医者さんも変わらざるを得ない訳ですから。
どなたか忘れましたが、映画監督の方がある女優さんに言ったこんな言葉があります。「本物に触れなさい。本物に触れていないと、偽物か本物か見抜くことは出来ないから。」
30代前半でこの記事を読んで、「おっしゃる通り!」と肝に命じた記憶があります。

良くテレビでやっている「何でも鑑定団」が良い例です。本物を知らずに、偽物を買わされている方がどれだけ多いか(笑)。ま、信じるものは救われる!で、本人が本物だと信じて満足出来ていれば問題ない訳ですが、歯の場合は数年や何十年か後に、歯を失ったり、身体のバランスを崩して原因不明の不調に悩まされたりするので、見過ごす訳にはいきません。

ここで、この先生のところで学んだ言葉をまとめておきます。
「歯医者は歯を治す事は出来ない(していない)。感染を出来るだけ取り除き、脳がニセモノと気付かないレベルの人工物で再建することしか出来ない。その後、その方が健康的に過ごせるかどうかは、その方の身体が均衡を保とうとする力にかかっている。その事を理解出来ない歯科医は多く、ずさんな板金加工をしただけで治した、と言ってしまっている。」
「歯は多く削らない方が良いし、絶対に抜かない方が良い。そのために最大限の努力&工夫をすべき。いくらインプラント技術が向上しても自分の歯(歯根膜)に勝るものはない。」
「マイクロスコープ無しでの治療はあり得ない。肉眼では根管治療を完璧にやる事はまず出来ない。感染病巣の治療時は必ずだ液が入らないようにすべき。ラバーダム等で対策を講じつつ処置をすること。」
「身体は決まった量(力)で仕事をする。歯根にムシ歯が残っていて、菌が常時血液中に排出され続けていると、身体の免疫システムが休みなく働かないといけなくなる。そうすると他の働きに回る力が少なくなり、代謝や他のことに対する免疫力が落ちる。」

私も今回で血中に垂れ流されていたムシ歯菌排出を止める事が出来たので、随分と身体が楽になったのを感じます。
熱が出ないように、歯茎が腫れて痛みが出ないように、私の免疫システムが何十年も常時働いてくれていたのです。治療の度に「良くこれで症状が出なかったね〜!」と驚かれていたので、本当に身体に感謝です。(明らかに出ない怠さや不調はありましたが)
「これで、これから代謝も上がるし、身体の免疫力も上がりますよ〜。」「噛み合わせも調整していってるので、広背筋の緊張が多少取れてきたんじゃないかなぁー。」と。
そうそう!この受診の前に、久しぶりにピルビスワークという骨盤ケアと開脚運動をしてみたら、身体が柔らかくなっていて、今までで最高に動いたのです(⌒▽⌒)
今まで背中やお腹、腿などの身体が硬かったのは「歯」にも原因があったとは、完全に盲点でした。
健康オタクで、食べ物からグッズから色々なものにこだわってきましたが、歯の感染源対策(ムシ歯と歯周病)と歯の噛み合わせ調整無しに、マッサージや整体やリフレクソロジーなどのお金と時間をかけてきたのは根本的解決策ではありませんでしたね〜。
こういう療法やサプリや健康グッズや波動グッズやさまざまなセラピーや、世の中に良いものはたくさんありますが、外のものより、先ずは自分の中の見直しが必要でした。
歯は脳に影響し、中でも迷走神経という自律神経の中の副交感神経に影響を及ぼすそうです。
ムシ歯が一本もない方でも噛み合わせは大丈夫か?
今痛みなどの自覚症状がない方でも、詰め物の中は大丈夫か?
一度信頼出来る歯医者さんで調べられる事をお勧めします。